小学生からマルチスポーツ体験を!
みなさんこんにちは。
もうすぐ10月、気温も下がってきて、やっと秋がやってきたと感じられる時期になりました。
秋といえば、食欲の秋、読書の秋、芸術の秋などさまざまありますが、みなさんにとってはどんな秋になりそうですか。
ちなみに、私はスポーツの秋を楽しむ予定です。
趣味の野球とソフトボールの大会に出場してプレーしたり、少年野球の練習の手伝いをしたり、ほかにもシーズンが佳境を迎えるプロ野球とサッカーJ リーグや、新しくシーズンが始まるバレーボールやバスケットボールを楽しみにしています。
そんなわけで、今回はスポーツをとりあげます。
スポーツといっても、1つの種目をクローズアップするのではなく、野球やサッカー、陸上、バスケ、バレー、空手を始めとする多様な種目に参加する『マルチスポーツ』です。
大谷翔平選手(MLB ドジャース)も小学生の時はバドミントンや水泳など、野球以外のスポーツにも親しんでいたそうです。
そんなマルチスポーツに関する豊中市の取り組みについてご紹介します。
マルチスポーツとは
ここでの「マルチスポーツ」は、トライアスロンのようにいくつかの種目をまとめて1つの競技にするものではなく、複数の競技に取り組むスポーツへの参加方法です。
海外ではこの考え方が広く浸透しています。
例えばアメリカでは、各スポーツにシーズン制が導入されていることから、多くの人がシーズン期間とオフシーズンでは異なる競技に取り組みます。
子どもたちのスポーツクラブにおいても、多種目に取り組むことが一般的です。
高校生・大学生世代では、取り組んでいる複数種目で、それそれのプロスポーツチームからドラフト指名された例もあります。
それに対し日本では、子どもはひとつのスポーツを早い段階から専門的に始め、その競技に集中して練習するという文化が強い傾向にあり、マルチスポーツの概念はまだ広くは浸透していません。
しかし、学校の部活動中心のスポーツ活動が見直されつつあることや、特に小学生では複数の競技を行うことのメリットや重要性が認識されつつあり、今マルチスポーツに注目が集まり始めました。
マルチスポーツのメリット
子どもたちにとっては特定の競技に偏らず、さまざまなスポーツに触れることによって、自分の得意分野や好みを見つけやすくなります。
また、スポーツによって使用する筋肉が違うため、バランスよく体を鍛えられるとともに、持久力や空間認識能力、俊敏性など、それぞれのスポーツで必要となる運動能力やスキルを幅広く育てることができます。
1つのスポーツに集中すると、同じ筋肉や動作を繰り返すことにより、特定の部位に負荷がかかることも多くなります。マルチスポーツはその負荷が分散されるため、ケガのリスクも低減されます。
また、さまざまなチームや環境でスポーツをすることで、いろんな友達や指導者と交流する機会が増えます。コミュニケーション能力や協調性が育まれ、異なるルールや戦略を持つスポーツを通じて、柔軟な思考力や適応力の発達、状況に応じた対応力や判断力が養われると言われています。
このように、子どものマルチスポーツは、将来的に多様な選択肢を持てるよう柔軟に体と心を育てることができます。
小学生からマルチスポーツ体験を!
豊中市では、2023年から子どもの体力向上の運動機会として、マルチスポーツ教室事業を始めました。
体力の向上は、心と体の健康保持・増進に大きくかかわります。子どもの時期から運動に親しむ資質や能力を育てることで日常的にスポーツをする習慣の習得が期待できます。そのため、子どものころから運動に親しむ機会やその経験を増やし、こどもの体力向上を図ることを本市のスポーツ推進計画の目標に掲げています。
この事業をはじめるきっかけとなったのは新型コロナウイルス感染症の拡大でした。
コロナ禍での行動自粛や対面コミュニケーションの減少は、体力低下やスクリーンタイム(スマートフォンなどのメディア利用時間)の増加を招く要因であると言われています。令和4年2月にスポーツ庁の発表した全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を、令和元年度・令和3年度と比較すると、全国・大阪府ともに運動能力が低下しており、豊中市でもおおむね同様の結果でした。
そこで、2022年はモデル事業として、市内4つの小学校に通う1年生から6年生を対象とした、子どもの体力向上や運動習慣の育成、運動や体を動かすことへの苦手意識克服につながるスポーツ教室型プログラム「とよなかキッズ!あそび&スポーツ☆ぷろぐらむ」を実施しました。
立命館大学、大阪成蹊大学、武庫川女子大学、流通科学大学の4つの大学と協力して、小学校低学年の子どもや運動が苦手な子どもでも取り組みやすく、運動・スポーツの楽しさや気持ちよさを感じてもらえるようなプログラムを考えました。例えば、様々な動きを取り入れた体や神経、脳を鍛えるコオーディネーショントレーニングや、ダンス、テニス、バスケ、大玉転がし、水鉄砲、いろいろな種目を組み合わせたサーキットトレーニングなどです。
そして2023年に、コオーディネーショントレーニングを残しつつ、競技スポーツやニュースポーツ等、多様な種目のスポーツをプログラムに取り入れ、それを体験できる、「マルチスポーツ体験教室」として始動しました。
市内小学校に通う小学1年生から6年生を対象に広く参加者を募集して、豊島体育館などの市立体育館4か所で開催しました。
また、大学に在学するアスリートも講師として来てくれました。陸上400mハードルで日本選手権を優勝した選手が走り方を、バトントワリングの世界チャンピオンがバトンを教えてくれるなど、子どもたちにとって貴重な体験となりました。
マルチスポーツ体験教室に参加した小学生に感想を聞いてみました。
「難しかったけど、練習したら上手くなった」
「いろんな種目が体験できて楽しかった」
「みんなで一緒にバトンをキャッチするのは難しかったけど、みんなが助けてくれたりして、うれしかった」
また、今回の体験教室に協力いただいている大学の先生にもお話を聞いてみました。
「マルチスポーツ体験教室を通じて、たくさんのスポーツに触れることで、体を動かすことの楽しさを感じてほしいです。」
「環境が変わったり、関わる人が増えたり、普段学校ではできないスポーツができるということは子どもたちにとってプラスになることが多いので、この体験教室でスポーツを好きになって、そのままスポーツを続けてほしいと思います。」とコメントいただきました。
参加した子どもたちは、初めて出会う競技であっても、めいっぱい運動を楽しんでいました。特にいろいろな種目を体験できたことがうれしかったという声が多くありました。
3年目の今年は、市立体育館等の指定管理者である、とよなかスポーツみらい創造パートナーズの代表団体・コナミスポーツと協力して、公民学連携で、マルチスポーツ体験教室を行っています。
※令和6年度のマルチスポーツ体験教室については、一部追加募集を行っています。詳しくは下記ホームページをご覧ください。
最後に
スポーツをする人も、スポーツを指導する人も、スポーツに対する認識が昔と比べて、大きく変わりました。昔は1つのスポーツに専念して打ち込み、たとえケガをしても最後までやり遂げることが素晴らしいという風潮や、考え方も一部存在し、美学のようにされることもありましたが、現在はスポーツをする人も、そのスポーツを楽しむことを大切にする人や、勝敗にこだわらず、全員が競技に参加することを大切にする人が増えてきました。
多様なスポーツに触れ、いろいろな経験をするマルチスポーツが、今後の子どもたちがスポーツをする「新しい当たり前」になるかもしれません。
最後に豊中市の秋ならではのスポーツイベントについての告知です。
今回の記事はいかがでしたか。
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